[看護師監修]乳幼児ママ必見、赤ちゃんの誤飲を防ぐ方法は?

2018/5/30 子育て

赤ちゃんはなんでも口にいれますよね。成長の過程なので仕方ないのですが、口に入れてしまうことで命の危険につながることもあるのです。そこで赤ちゃんがどのようなものを飲み込みやすいか、飲み込んでしまった時にどのように対処したらよいかをご紹介いたします。

なぜ誤飲がおきるのか?

赤ちゃんは大人に比べて視力が発達しておらず、代わりに触覚が敏感です。見慣れぬものがあると、とりあえず触ったり舐めたりして物体の正体を確かめようとします。その際に赤ちゃんの喉より小さいもの(トイレットペーパーの芯の穴より小さいもの)をなにかの拍子に飲み込んでしまったりします。また大人より目線が低く、家具の下や隙間に入り込んだものを飲み込んだり、昨日までできなかったことが急にできるようになり、テーブルの上に置いていたものを口にいれていたりして、誤飲が起きるのです。

誤飲はどこで、いつ起きる?

誤飲は圧倒的に外出時より家庭内で起きることが多いです。外では抱っこ紐やベビーカーなどで赤ちゃんが自由に動ける機会があまりないと思いますが、家の中では比較的自由に動けるため誤飲が起きます。また長期休みにご実家に帰った時など、普段赤ちゃんがいないところだとなかなか環境が整っていない場合が多く、親の目が届かないことも増えるので注意が必要です。

赤ちゃんが誤飲しやすいものは?

1.医薬品

カプセルや錠剤などは飲み込みやすい形をしているので誤飲しやすいです。また大人では問題ない量でも赤ちゃんには危険なことがあります。すぐに病院を受診しましょう。

2.プラスチック製品

ボタン、ペットボトルのふた、おもちゃの部品などが気道にすっぽりはまってしまうと窒息してしまいます。

3.化粧品や洗剤類

大人が使っているものは、赤ちゃんも興味津々です。お母さんが使っている化粧品は、赤ちゃんも気になります。化粧品は身体に入っても害の無いように作られていますが、大量に誤飲してしまった場合は処置が必要なこともあります。また最近使われているジェル状の洗剤は食べ物と間違えて食べてしまう事故も報告されています。

4.クリップやアクセサリー、硬貨などの金属製品

クリップや画びょう、ピアスやイヤリング、硬貨などの金属製品はキラキラして赤ちゃんも大好きなものです。金属製品は消化されませんが、胃酸で腐食し有害な物質が体内で溶け出すこともあります。また硬貨のような小さくて丸いものが腸壁の隙間にはさまって、腸ねん転のような症状が出る可能性があります。

5.ボタン電池など

電池は食道や胃壁に張り付くと、胃液で金属が腐食し、アルカリ性物質が染み出し、20分ほどで化学やけどを引き起こします。飲み込んだことがわかったら救急車を呼びましょう。

6.食品類など

大人は問題なく食べられるものでも、ナッツなどの硬いものは気道に入ると水分で膨らみ窒息や誤嚥性肺炎の原因になります。また食品を包んでいたビニールやラップなども注意が必要です。子ども向け食品のおまけについているシールやおもちゃを誤飲することがあります。

誤飲したかも?と思ったら

赤ちゃんが誤飲をした場合、それが気管に入ると激しくむせたり呼吸ができなくなり、顔が青白くなり倒れたりします。小さい赤ちゃんなら、うつ伏せにして肩甲骨の間を4〜5回、手の付け根で強めに叩きましょう。

1歳を過ぎている場合は、赤ちゃんの脇から手を入れてお臍のやや上(みぞおちのあたり)を拳で強く上方向へ圧迫します。異物が出ない場合は直ぐに救急車を呼びましょう。

また胃に異物が入ってしまうと、赤ちゃんは状況がわかりません。周囲に散らばっているものや口の中の様子を見て、何を誤飲したのかはっきりさせましょう。薬や洗剤の場合は、どのくらい誤飲したのか、量を把握することも大切です。

どうしても誤飲したものがわからない場合は、すぐに病院に行きましょう。すぐに症状が出なくても、後で急変する可能性があります。

◯吐かせてはいけないもの

赤ちゃんが誤飲したものが、強酸性・強アルカリ性の洗剤やボタン電池、マニキュアや除光液など揮発性の石油製品は絶対に吐かせてはいけません。そのまま救急車を呼びましょう。

また吐かせやすくしようと、水や牛乳を飲ませる場合もあると思いますが、物によってはかえって毒物の吸収を早めてしまう場合があります。赤ちゃんの様子が元気な時には、小児救急電話相談(#8000)に電話をかけ、確認しましょう。小児科や看護師に誤飲したものに対して、相談したりアドバイスが受けられます。

◯救急車を呼んだ方が良い場合

たばこや漂白剤、電池、マニキュアなどの揮発性石油製品を誤飲した場合は、少量でもすぐに救急車を呼んで下さい。毒性が強いものの場合、すぐに処置しないと命に関わります。また赤ちゃんがぐったりしていたり激しく嘔吐している場合も、救急車を呼びましょう。

また針や画びょう、尖ったプラスチック片などを誤飲した場合、内臓を傷つける恐れがあるので、同様に救急車を呼んで下さい。

「なにを、いつ、どのくらい」誤飲したのか電話で伝えましょう。誤飲したものがわからない場合は「いつから、どのように様子がおかしいのか」を同じく電話で伝えて下さい。

◯様子を見ても大丈夫な場合

せっけんやシャンプー、子ども用のクレヨンや粘土などは、赤ちゃんが口に入れてしまうことを想定して作られたものは少量食べても問題ありません。赤ちゃんの様子がいつもと変わらないか、4~5時間様子を見ましょう。その後も様子が変わらなければ、病院を受診しなくても大丈夫だと思われます。赤ちゃんがぐったりしたり食欲もなく、気分が悪そうな様子があれば、すぐに病院を受診しましょう。「いつ、なにを、どのくらい」誤飲したのか伝えられるようにしておきます。誤飲したもののパッケージなどがあれば持って行きましょう。

誤飲を防ぐには?

赤ちゃんにとって危ないものは、手の届かないところにしまって、出しっぱなしにしないように環境を整えましょう。また昨日までできなかったことが急にできたりするので、高いところに置いていてもテーブルの上などに出しっぱなしにしておくのは危険です。

またおもちゃには電池を使用するものもあり、最近は簡単に電池カバーが外れないように、ネジでとめられているものも多いですが、カバーが外れないようにテープでカバーをとめるなどしても良いでしょう。

引き出しにはチャイルドロックなど安全グッズを使用して、勝手に開けられないようにしましょう。

家族に喫煙者がいる場合は、吸い殻でも新品でも子どものいる部屋に持ち込まないようにしてもらいましょう。また空き缶を灰皿代わりにするのもやめましょう。吸い殻自体を誤飲しなくても、有害物質の滲み出た水を赤ちゃんが飲んでしまう場合もあります。タバコは赤ちゃんの誤飲で一番多いものです。特に注意が必要です。

どんなに気をつけていると思っていても起きてしまう誤飲事故。特に夕ご飯の支度をしている夕方頃に起きることが多いです。これはお母さんの目がどうしてめ赤ちゃんから離れがちになるからです。お母さんが忙しい時はお父さんが赤ちゃんを見るなど、周囲と協力して赤ちゃんを誤飲事故から守りましょう。

この記事を書いた人:receipo

関連記事