[看護師監修]子どもの胃腸炎。症状とケア

2017/12/20 子育て

寒くて乾燥する冬になると様々な感染症が流行ります。特に本人も辛い上に看病する方も大変なのが胃腸炎ではないでしょうか。胃腸炎になるとどのような症状がでるのか、お家ではどのような点に気をつけて看病すれば良いのか書いていこうと思います。

子どもの胃腸炎。症状とケア

胃腸炎の原因

胃腸炎とは何らかの原因で胃腸に炎症を起こしている状態を指します。冬になると流行しているイメージのある胃腸炎ですが、冬に多いのはウイルスが原因の胃腸炎です。ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが原因です。

乳幼児が胃腸炎になった時はウイルス感染の可能性が一番高く、中でも2歳位までの乳幼児が感染しやすいロタウイルスは重症化しやすいです。ウイルスは同年代のお友達のくしゃみによる飛沫感染、唾液のついたおもちゃの共有などで感染が広がる可能性があります。幼稚園や学校で流行した時は気をつけましょう。夏に多いのは細菌によるもので腸炎ビブリオ菌やサルモネラ菌などが原因です。また寄生虫やアレルギー、ストレスなどの精神的なものなどもあります。

胃腸炎の症状

胃腸炎の主な症状は嘔吐と下痢です。同時に始まる場合もありますが、多くは嘔吐の後に下痢が始まります。ウイルス性では水のような下痢が多く、細菌性では血混じりの便が出ることもあります。また腹痛や食欲不振、発熱を伴う事も多いです。胃腸炎で気をつけたいのは嘔吐や下痢が続き、水分が十分に取れない事で起こる脱水症状です。以下は脱水症状の兆候です。これらが見られた場合は早めに病院に行く事をお勧めします。

・唇、口内が乾いている・尿量が少ない、濃い・顔色が悪い・ぐったりしている・泣いているのに涙が出ない・両目や大泉門(額の上部にある骨の継ぎ目で触ると柔らかい部分。2歳頃まで確認できる事が多いです。)がへこんでいる

胃腸炎の治療と自宅でのケア

ウイルス性胃腸炎には直接ウイルスに効く薬はありません。細菌性胃腸炎には抗生物質が有効ですが、どちらの場合も対症療法が主な治療になります。整腸剤、吐き気どめ、解熱剤などが処方され、脱水症状がある場合は点滴を行います。ウイルスを体外に排出するために下痢は止めない方が良く、あまりにひどくない場合には下痢止めは処方されない事が多いです。

自宅ではとにかく脱水にならないように水分補給を上手に行いましょう。経口補水液が胃腸の負担にならず吸収も良いのでおすすめです。母乳やミルクを飲んでいる場合は母乳やミルクで構いません。本人は喉が渇き、たくさん飲みたがるかもしれませんが一気に飲むと吐いてしまい水分がとれません。5cc程から始め、嘔吐がなければ数分おきに徐々に量を増やしながら飲ませます。嘔吐する場合は30分程休んでから再開します。

水分が取れ、食欲が出てきたら消化の良いものを与えましょう。お出汁、おじや、うどん、ヨーグルトなどが良いです。水分同様、一度にたくさん食べると胃腸に負担がかかるので1回量を少なく回数を増やします。

お風呂は吐き気が強い場合や、熱がある時は無理せず症状が落ち着いてからにしましょう。

今年の冬は、胃腸炎になっても焦らず看病してあげましょう。

この記事を書いた人:receipo

関連記事