[看護師監修]赤ちゃんは要注意!RSウイルス感染症

2017/11/22 子育て

だんだんと寒さが厳しくなってきたこの頃。子どもたちは風邪をひきやすいですね。咳や鼻水が出て、熱も出た。風邪だと思って病院に行ったら「RSウイルスの検査をしましょう。」と医師に言われた…でもRSウイルスって?という方も多いのではないでしょうか。

赤ちゃんRSウィルス

RSウイルス感染症とは

冬になると流行する風邪などをはじめとした呼吸器感染症の原因になるウイルスの1つです。数百種類あるという原因ウイルスのうち、乳幼児が最も感染しやすいのが、RSウイルスです。ほとんどの子どもが2歳までに1度はかかると言われています。秋から春までの長期間流行するため、9月頃〜4月頃まで気をつけることが必要です。

RSウイルスに感染すると

RSウイルスは1度かかれば2度とかからないわけではなく、一生のうちに何度も感染を繰り返すウイルスです。大人が感染しても、軽度の鼻風邪程度ですむ人が大半です。赤ちゃんが感染した場合も、通常は38〜39度程度の発熱、鼻水、咳などの風邪症状が出て、8〜15日程度で完治します。

しかし悪化すると、細気管支炎や肺炎を引き起こすこともあり、初めてRSウイルスに感染した乳幼児の25〜40%に細気管支炎や肺炎の兆候が見られるとも言われています。重症化した場合、喘鳴というゼイゼイ、ヒューヒューした呼吸になったり、呼吸が速くなったり、呼吸困難や無呼吸になったりして入院が必要になる場合もあります。

特に気をつけたい、重症化しやすい赤ちゃん

生後6ヶ月未満の赤ちゃんは、免疫機能が発達段階のためRSウイルスに感染すると重症化する可能性があります。そのほかにも以下に当てはまる赤ちゃんは重症化する可能性が高いため、RSウイルスの流行時期の赤ちゃんの月齢なども考慮して、医師の判断のもとシナジスという薬を注射する事があります。

早産

身体の機能が未発達な場合が多く、重症化する可能性か高くなります。

慢性肺疾患

産まれて間もない時期から肺の障害によって治療が必要な赤ちゃんも注意が必要です。

心疾患

肺に流れる血液の量が多い疾患の赤ちゃんは、RSウイルスに感染すると重症化しやすいことが知られています。また逆に肺に流れる血液の量が少ない疾患の赤ちゃんは、元々血液中の酸素の量が少ないためにチアノーゼ(顔や唇などが青くなる)が強くなります。

ダウン症候群

ダウン症候群の赤ちゃんは、先天性心疾患や呼吸器疾患を合併していたり、筋緊張の低下により呼吸する力が弱かったり、免疫力の低下によって、呼吸器疾患にかかりやすく重症化しやすいといわれています。

免疫不全

体内に入ったウイルスなどの異物に抵抗して身体を守る免疫システムが未熟であったり働きが弱かったりするために呼吸器疾患にかかると重症化しやすいといわれています。

日常からできるRSウィルスのケア

RSウイルスに感染する事で重症化しやすいのは赤ちゃんです。日常からできる予防法を身につけましょう。

・手洗いを徹底する

RSウイルスは非常に感染力が高く、物に付着してから4〜7時間は感染力があるといわれています。外出後や調理、食事の前、鼻をかんだ後など石鹸でよく手を洗いましょう。

・流行時期には人ごみをさける

なかなか難しいですが、人の多いところは感染する可能性もあがります。流行時期にはなるべく人ごみに赤ちゃんを連れて行くのは避けましょう。

・身の回りのものをこまめに消毒

RSウイルスは目や鼻、口の粘膜から感染します。赤ちゃんは手に取るものをなんでも口にしたがります。家族に風邪をひいている人がいる場合は、アルコールウエットティッシュなどで赤ちゃんの周りのものをこまめに消毒しましょう。

・大人も風邪に注意

RSウイルスは感染者の鼻水や咳によってとんだ唾液などからも感染します。赤ちゃんの周囲の大人が風邪を引いた場合はマスクをつけると良いでしょう。大人は軽くすんでも、赤ちゃんは重症化する恐れがあります。注意しましょう。

今年もちらほらとRSウイルス感染症が流行を始めたとニュースなどでも言っていましたね。

なるべくかからないように気をつけ、風邪かな?気になるな…という時はすぐ病院で診てもらいましょう。

この記事を書いた人:receipo

関連記事