[看護師監修]辛そうな子供の咳。自宅でできるケア。
最近急に寒くなってきて、気温の変化に身体がついていきませんね。大人でもそうですから子どもなら尚更、体調を崩しやすいです。
ものすごく体調が悪いのであれば、迷わず病院に行きますが、ちょっと咳が出ているだけ…など気になるけれど病院に行くほどではないかな?ということ、よくありますよね。でも様子を見ていたら夜に咳でよく眠れない…なんてことも。そんな時に少しでも咳を和らげる方法をお教えします。
どうして咳がでるの?
咳は、肺や気管などの呼吸器を守るために、外から入ってきたほこりや煙、ウイルスなどの異物を気道から出そうとする生体防御反応(身体を守る仕組み)です。異物が入ると、まず咽頭や気管、気管支などの気道の粘膜表面にあるセンサーが異物を感じ取ります。その刺激が脳に伝わり、咳を起こすように横隔膜などの呼吸を行うための筋肉へ指令を送ります。
また咳には気道にたまった痰を外に出す役割もあります。痰は気道粘膜を覆う粘液が、ウイルスや細菌などの病原体やほこりなどの異物を絡め取ったものです。気道に炎症があると、痰の粘り気が強くなります。
咳の種類は?
咳には大きくわけて3種類あります。
1.急性咳嗽
咳が続く期間が3週間程で、原因は風邪やインフルエンザ、急性気管支炎、百日咳などです。ただ、肺炎や肺結核、肺血栓塞栓症、肺がんなど重篤な疾患の場合もありますので、症状によってレントゲン撮影を行い、確認します。
2.遅延性咳嗽
咳が続く期間が3週間以上で、原因は咳喘息、アトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群、胃食道逆流症、慢性気管支炎などです。
3.慢性咳嗽
咳が続く期間が8週間以上で、原因は遅延性咳嗽と同じです。
夜に咳がひどくなるのはなぜ?
昼間はそうでなくても、夜寝ている時に咳が辛そうだな…と思う事はありませんか?夜に咳がひどくなるのも原因があります。
夜は「気道過敏性」といって、気道や気管支が過敏になりやすい傾向があります。また夜は副交感神経が優位になり、気管支が収縮しやすくなるため気道が狭まり、咳がでやすくなり、急激に気温が下がることでも気管支は収縮するので咳を起こしやすくなります。明け方は夜と比べて5~6℃温度が下がり咳の原因になります。鼻水も一緒に出ている時は、横になると鼻の奥に溜まっていた鼻水がのどに流れ込む刺激で咳がでます。
咳を和らげるには
気管や肺は乾燥が苦手です。まずは空気の乾燥を防ぐために加湿器をかけたり、マスクをして眠ると良いでしょう。また眠る前に喉を温めておくと気管が拡張されて咳が出にくくなります。暖かい飲み物を飲んでから眠るのも良いですね。
寝る体勢も大事です。仰向けで眠ると鼻水が流れるので、少し上体を起こすと咳が出にくくなります。枕や座布団などを背中の下に入れて高さを調整しましょう。ですが本人が寝づらそうな時は好きな体勢で寝かせてあげましょう。横向きでも仰向けよりは咳がマシになりますよ。
子どもはしょっちゅう咳をしますが、咳は意外と体力を使います。夜、しっかり眠れないとなかなか咳も治りません。なるべく咳を和らげてあげて、夜眠れるようにサポートしてあげましょう。咳が続く場合は、きちんと病院で小児科医の診察を受けることをお勧めします。