【看護師監修】新生児のママさんへ♪知っておきたい赤ちゃんの黄疸

2018/3/31 子育て

赤ちゃんが産まれた後、赤〜ピンクっぽかった赤ちゃんの肌や白目がなんとなく黄色いな…と気になったことはありませんか?それは新生児黄疸といって日本人ならほとんどの赤ちゃんに起こることなのです。しかし黄疸の数値が高くなり治療せずにいると命の危険があることもあるのです。

なぜ新生児黄疸が起きるのか、数値が高くなった場合、どのような治療を行うのかまとめます。

新生児黄疸の症状

生後2〜3日頃から、肌や白目が黄色くなり、特に治療は必要としません。1〜2週間程で元の色に戻ることが多いです。

新生児黄疸が起こる理由は?

お母さんのお腹の中にいる赤ちゃん(胎児)は、肺で呼吸ができないので胎盤を通して酸素を身体に取り込んでいます。しかし肺と比べると胎盤は酸素と二酸化炭素を交換する効率が悪く大人に比べると酸素不足になってしまいます。そのため血液中の赤血球の数が大人より胎児の方が1.5〜2倍程多くして、必要な酸素量を確保しています。しかし出生後に肺で呼吸するようになると、赤血球の数が多い為に、余分な赤血球は脾臓で壊されます。赤血球の中にある赤いヘモグロビンは、赤血球が壊されたあと黄色いビリルビンという物質に変わります。ビリルビンは肝臓に運ばれ、水に溶けやすいビリルビンに変わったあと、腸に排出され便と一緒に身体から出て行きます。赤ちゃんは消化管と肝臓の機能が未熟なために黄疸が起こるのです。日数がたち、赤ちゃんの消化管と肝臓が成熟してくると、ビリルビンの処理がはやくなり黄疸はなくなります。

気をつけたい黄疸

新生児に起こる黄疸にも気をつけたい黄疸があります。

1.生後24時間以内に起こる早発黄疸

赤ちゃんの血液型とお母さんの血液型が適合していないため起こる赤血球の大量破壊(溶血)などが原因。

2.生後3週間以上続く遷延型黄疸

新生児肝疾患や代謝以上などが原因。便の色が白っぽいことで気づくことも。

3.遺伝性赤血球異常症などの疾患によってでる黄疸

黄疸の治療法は?

気をつけたい黄疸の場合は重症化しやすく、自然治癒があまり期待できません。黄疸の原因であるビリルビンの値が高いままだと、ビリルビンが脳へ沈着して神経障害を起こす「核黄疸(ビリルビン脳症)」を引き起こし、後遺症が残ることもあります。発熱、けいれんから脳性麻痺、最悪の場合は命を落とす危険性もあります。そのため出生後はビリルビン値を定期的に検査します。

・光線療法

ビリルビン値が17を超えたら光線療法の適応になります。赤ちゃんに人工的に作り出した光線(ブルーライトやグリーンライト)を当てることでビリルビンが尿や胆汁に排泄されビリルビン値が下がります。赤ちゃんを裸にしてなるべく多い範囲に光線が当たるようにします。目には目隠しをして影響が出ないようにしています。

・交換輸血

ビリルビン値がかなり高い場合は輸血を行い赤血球を交換する治療を行います。

・ガンマグロブリン大量療法

こちらもビリルビン値がかなり高い場合に行われ、交換輸血と同じ位の効果があり、交換輸血の頻度は大幅に減っています。ガンマグロブリンという薬を使って溶血を防ぐ治療です。

黄疸はほとんどの赤ちゃんに起こる自然なものですが、中には治療が必要な黄疸もあります。治療が必要な黄疸でも適切な治療を行えば治ります。治療が必要になった場合は医師や看護師、助産師の話をよく聞いて赤ちゃんを応援してあげて下さいね。

この記事を書いた人:receipo

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