【働く主婦】パート勤務の厚生年金負担をどう思う?前編

2020/1/28 お仕事情報

家事や育児と両立しながら家計を支える主婦の力が注目されています。夫の収入から所得税が軽減される「特別配偶者控除」が受けられるのは、年収150万円までと緩和されました。いわゆる「150万円の壁」といわれるものです。

働きやすくなったとはいえ、「年収130万円」を超えてしまうと、配偶者(夫)の厚生年金等の扶養が受けられなくなるため、個人で厚生年金に加入せざるを得なくなります。今回は、正社員ではなくパート勤務で働く主婦と厚生年金について、アンケート結果を交えながら紹介してまいります。

調査概要

  • 調査対象:SBFにキャスト登録をしている全国のアンケートモニター
  • 調査人数:n=680名(平均年齢48歳)
  • 調査方法:SBFのリサーチサイトを活用したインターネットリサーチ
  • 調査日時:2019年12月12日~12月15日(3日間)
  • ソフトブレーン・フィールド株式会社調べ

103万円/130万円の壁は厚い

レシーポを運営する、ソフトブレーン・フィールド株式会社(SBF)では、小売店ラウンダーを中心にキャストを各企業へ派遣しています。キャスト登録をしている人の多くは、主婦層となります。

ここで、働く主婦に年収と働き方について質問したところ、「103万円・130万円を超えないように働いている」という声が59.1%にも上りました。

知っておきたい「○○万円の壁」

ここで「○○万円の壁」について説明しましょう。これは主婦層の年収に対して用いられる言葉です。

  • 103万円:1年間に収入を得た人が所得税を納める必要がある額
  • 106万円:社会保険(厚生年金含む)加入の必要性が発生する年収額
  • 130万円:配偶者の保険扶養から外れる年収額
  • 150万円:配偶者特別控除の限度額(配偶者が納める所得税と住民税に影響)
  • 160万円:主婦が厚生年金に加入した場合、負担保険料をカバーするために必要な額

多くの場合、勤務先で源泉所得税を徴収しているため、103万円の壁を意識して働いているという人は少ないと思われます。103万円以下の年収の場合、勤務先が発行する支払調書を受け取り確定申告をすることで、勤務先が代わりに支払った所得税が戻る可能性があります。

一般的に従業員501人以上の企業で働くパート従業員の場合、「週20時間以上もしくは週5日以上の勤務」「年収106万円(月額8.8万円)以上の収入」があれば厚生年金を含む社会保険に加入する必要があります。これが106万円の壁です。

年収150万円で配偶者特別控除が受けられなくなりますが、その前に年収130万円以上の場合、配偶者の扶養家族として加入していた社会保険等の資格が喪失します。月々の扶養手当もなくなるため、配偶者の年収は10万円程度下がります。勤務先でパート従業員の厚生年金加入義務がない場合、第一号被保険者として国民年金や国民健康保険に加入する必要が生じます。

主婦の収入が150万円を超えてしまった場合、今まで通りの働き方では夫の配偶者特別控除がなくなるうえ、妻の年金保険料の負担が生じます。実質上家計収入はマイナスになってしまうというデメリットが生じます。

一番最後の「年収160万円」というのは、税金や年金保険料の負担をしても、今まで通り収入がプラスになる額となります。

単純に150万円までなら働けると思っていても、130万円以上年収があれば配偶者の保険扶養を外れ、国民年金・国民健康保険や勤務先の社会保険への加入に切り替わってしまいます。この支払保険料を収入でカバーするには、年収160万円以上が必要になるという考え方が浸透しています。

デメリットを避けるための「103万円/130万円」

話をアンケート結果に戻しましょう。6割近くの人が103万円や130万円の壁を守っているとしているという声がありました。これ以上の収入を得ると、配偶者の手取りも実質上下がってしまうし、厚生年金の保険料負担が大きく、最終的には働き損になってしまう可能性があるためといった考え方に基づいています。

正社員だと日給月給(日額計算)で給与計算されますが、パート従業員の場合は時間給です。時給や勤務時間によっては働き方も考えていかなければいけないようですね。

また、150万円以上の壁を意識している人が少ないことがわかりました。

厚生年金に未加入(扶養家族)がほとんど

こちらは、被保険者として厚生年金に加入しているかを問いかけたものです。その結果25%の人は、厚生年金に加入しています。先に記した通り、103万円/130万円の壁を意識した働き方をしている人が大半になるのでしょうか。67.7%の人は厚生年金等には加入せずという結果がわかりました。

この場合は、配偶者の扶養家族として夫が加入する厚生年金等に加入しているということがわかります。

後半へ続きます

パート勤務の主婦と厚生年金に関してまとめました。こちらのアンケート結果は後半へ続きます。私たち働く主婦にとって、気になる短時間労働者(パート勤務等)への厚生年金適用範囲拡大にも触れながらの結果をまとめてまいりますので、併せてごらんください。

 

 

 

 

この記事を書いた人:receipo

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