【アンケートまとめ】巣ごもり消費は浪費傾向?

2020/6/3 くらし

新型コロナウィルスの話題が連日報道されていますが、緊急事態宣言が2020年5月25日に解除されました。これによって、少しずつ日常を取り戻すための緩和が始まっています。ただし、まだまだ予断が許されない地域も存在しており、「新しい生活様式」や「Withコロナ」を受け入れながら、手洗いの励行はもちろん、ソーシャルディスタンスといった距離の取り方などを続けていくことが求められています。

緊急事態宣言の解除によって「#おうちで過ごそう」といったSNSハッシュタグに代表される「巣ごもり生活」を終えた人も多くみられます。では、自粛期間中の巣ごもり生活の中で消費活動はどのように変化したのでしょうか。働く主婦を対象に「新型コロナ感染拡大後の消費行動に関するアンケート」を行いました。

 

新型コロナ感染拡大<働く女性>の消費行動

【調査概要】

  • 調査期間:2020年5月12日~5月18日
  • 調査対象:SBFにキャスト登録している全国の働く女性
  • 調査方法:SBF独自のリサーチサイトによるインターネットリサーチ
  • 調査人数:713名 (平均年齢49歳)

 

お家で快適に過ごすために…。

巣ごもり生活はもちろんのこと、中にはエッセンシャルワーカーと呼ばれる生活応需のために欠かせない労働者も見られます。この自粛生活の中で新たに購入したものがあると答えたのは56.4%。

どういった品物を購入したのか複数回答で質問したところ、圧倒的多数だったのが「マスク・消毒グッズ」でした。今では商業店舗などで「マスクの着用依頼」が増えています。他人に移さない・自分がかからないための対策として最善なマスクや消毒グッズを準備する家庭が多かったのは、連日の報道からも推測できることですね。

次いで、巣ごもり生活を良いものにするべく書籍やゲームなどを購入した人が多くみられました。

この自粛生活の期間内で「新しい何かを購入した人」はどのくらい支出をしているのかを表に表しました。その結果、15,000円を超える買い物(支出)をしている人は、4割にも上ることがわかりました。

子ども用に、Nintendo Switchと勉強用教材を購入(40代女性)

というように、休校中の子どもの「遊びたい欲求」をかなえたり、勉強時間が少なくなることを懸念して教材を購入している声が寄せられています。

子ども用の参考書とオンライン授業用の机(40代女性)

子どものオンライン授業用のパソコン(30代女性)

学校ICTなどが推進され、環境が整備された学校の中には、オンライン授業や専用のアプリケーションなどを用いた学習を行い、休校中でも授業履修に代えているところも見られます。自宅学習の環境を整えた家庭も少なくないようです。

在宅で新サービスを利用した人はわずか?

自粛期間が続く中、オンラインレッスンなど在宅で何らかのサービスが受けられる、新たな取り組みがマスコミで紹介されていました。こういった「サービス」を受けたことがあるという人は32.8%。テイクアウトや、先述のオンラインレッスンといった新しい取り組みはもちろんのこと、既存のサブスクなど家にいながら受けられるサービスが多い中ではあるのですが、32.8%は多い数字とは言えないですね。

働く主婦は生活を豊かにするための工夫が上手です。自粛生活前から、何らかのサービスを継続して受けていたと考えることもできるのではないでしょうか。その中でも、テイクアウトやデリバリーのサービスを利用したという声は高まっています。自粛生活のため外食に行けず、テレワークや休校が続き家族分の食事を用意する機会が増えたという背景も反映されていると推察することができます。

買い物は通販が中心となったという傾向も見られます。ただし、ネットスーパーよりも「お取り寄せ」の率が高いことがわかります。「ご当地製品のお取り寄せでコロナ支援」「クラウドファンディングやふるさと納税でコロナ支援」といった動きも反映されているのではないでしょうか。

あえて、有料サービスは利用しなかった

この結果を見てお気づきになるのではないでしょうか。有料サービスだけではなく、無料サービスを利用している人が多いことがわかりました。

YOUTUBE などの無料で視聴できる動画サイトを利用していました

というようにネット環境だけで視聴可能なサイトを利用していたという声が寄せられています。

自治体が提供する学習支援動画配信サービス

NHKの学習番組配信コンテンツ「NHK for School」

こどもチャレンジの「オンライン幼稚園」

こういった企業が提供する無償サービスを利用したという声も目立っていました。

無料もしくは無償で楽しめるサービスを利用したという声も高かった半面、新しいサービスを利用するために支出していることがわかりました。これを踏まえたうえで、この結果をご覧ください。

自粛生活中のライフスタイルは人それぞれですが、「節約傾向」「浪費傾向」「変わらない」という回答の中では「節約傾向」と答えた人が44.8%と多い反面、浪費傾向にあると答えた人は25%も見られました。

まとめ買いをするようになったので余分な食料を買うことが増えた(40代女性)

家族が在宅する機会が増えたほか、3密を防ぐため買い物の仕方も変わったという人もいることでしょう。

外出できないため、高額と思っている商品でも今なら手を出してしまっていると思う(40代)

外出すると洋服や化粧品の購入や、外食・飲食といった出費が伴いますが、自粛生活ではそれがかないません。「ネットでつい購入」とか「コロナ支援で購入」というほかの支出が多くなってしまった人も多いのではないでしょうか。また、外出の予算分で購入したものがあるという人もいるかもしれませんね。

家の中にいるので、ガソリンも使わず、外食もしない、服も買っていないので節約できていると思う(40代女性)

旅行や娯楽費がかかっていないので節約になっている(50代女性)

一方で、節約傾向にあるという人は、支出がないことに着目しています。また、コロナ不況を懸念している声も見られました。

何が起こるかわからないから節約している(40代女性)

世の中が不景気になってときのための備えとして節約気味(40代女性)

アンケートを行った時期は「特別定額給付金」の申請用紙の発送開始と時期が重なります。また緊急事態宣言の延長の有無について議論されていた時期でもあります。コロナ失業や企業倒産が現実味を帯び、生活の変化を懸念することにつながったと考えることができます。

お金の使い方について見直した人多数

これまでと同じ生活を続けるにはお金の使い方について見直すきっかけが生まれたという人が2人に1人の割合で見られました。

巣ごもりの結果浪費傾向にあると気付いた、職場環境などの変化によってコロナショック前と同じ水準で生活するのが難しくなったなど、いろいろな理由があることでしょう。

一時期よりは新たな感染者は減少しましたし、経過観察を終えて普段通りの生活を取り戻した人も増えています。ただし、第二波の発生などが懸念される今、また3月~4月頃の生活に逆戻りする可能性も否めません。こういったことからも、お金の使い方について考えるきっかけを持った人が多くなったのでしょう。

共存を考えながら、生活のリズムを取り戻そう

やはり、完全にコロナウイルスを制圧することは今のところでは難しいようです。ワクチンの開発や治療薬の開発が待たれます。特効薬の模索が続く今、「誰かにうつさないこと」「自分がかからないこと」を考えが大切になってきます。新しい生活様式を取り入れながら生活のリズムを取り戻していきましょう。

仕事と子育てを両立している人は、子どもの学校生活の心配も入ってくることでしょう。家族に仕事の変化があった人もいるかもしれません。今までと変わらない生活をしていたという人も少なからず、生活の内容は変わっているのではないでしょうか。

一日も早く終息を願いつつ、手洗いやうがいといった、日常生活でできる予防方法を励行しながら生活をしていきましょう。

 

 

 

 

この記事を書いた人:receipo

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