新型コロナ拡大後の購買行動はどう変わった?
「#stayhome」などのハッシュタグが定着し、外出自粛の動きも浸透しています。買い物などは不要不急ではないとされていますが、「密集・密閉・密接」の可能性があるスーパーマーケットはできるだけ避けたいというのが心理にあるはずです。ここでは、レシーポを運営するソフトブレーン・フィールド株式会社が、全国のアンケートモニターから独自に収集する「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy」(以下POB)から、購買行動を分析した結果を紹介します。
【巣ごもり需要】1回あたりの購入品目が増えた
こちらは、レシーポなどのサイトを通じて取集されたレシートのデータから見る「購買行動」の推移です。2月17日の週はまだクルーズ船などの集団感染者の話題にとどまっていた時期で、1回の買い物当たり平均4点の購入、購入金額として847円の平均値が挙げられてました。
その次の週になると学校の休業要請や、デマ拡散によるトイレットペーパーなどの紙類買い占めなどの騒動が起きた時期に入ります。買い占めによる結果なのか、平均4.8点の購入、金額にして1,019円の平均値が挙げられています。このころからジワリと物価も上昇している傾向が出てきています。
その後横ばいの推移が続きますが、3月23日の週は国内の感染者数も増え、オーバシュートやパンデミックなどの言葉も横行し始めています。「緊急事態宣言の必要性」などが議論され始めるころで、購入点数や平均金額の値が伸びていることがわかりました。
普段からまめに買い物に出るので買い置きはあまりしてなかったが、スーパーの棚から商品がどんどん無くなるのを見て、乾麺や缶詰やレトルト等をストック用に購入した(50代女性)
どうなるか不安なので、いつもより買いだめしているので、支出が増えています。普段買わない(食品など)を購入してしまう(50代)
筆者は東北の住まいなのですが、3月は東日本大震災があった時期と重なります。「品物が全く流通していないあの頃」の事情を思い出したことと、子供たちが休業要請で自宅に四六時中いるということから、食品を多めに確保せざるを得なかったことからストックを準備した経緯があります。
買い物は日用品より食品関連
購入行動に大きな動きがあった3/23日の週の結果を切り出すと、生鮮食品や総菜よりも食品関係の購入が前週よりも大きく伸びていることがわかります。ストック買いの傾向が見られますね。日用品に関しては、前週と比較して減っています。買い控えではなく、単純に流通がなくなったと受け取るべきでしょう。
コロナウィルス騒動で生理用品までもが数量限定で、ないと困る為ストック用に購入(30代女性)
流通が少なくなり、いつも使っている製品が店頭にない、数量限定で購入制限がなされていたということから、「見つけた時」に購入する人も見られます。
家での食事が増え、買物する商品数、量は3割ぐらい多くなっている(40代女性)
ストック買いのみならず、在宅での食事が増えていることもこの結果につながっています。
トイレットペーパーを買いに行った際に価格を確認したら安かったので、洗濯洗剤をストック用に購入(50代男性)
このように、特売商品の動きから「ついで買い」につながっている動きも見られました。
飲食が減った「#stayhome」
上に掲げた表を見ると、「飲食メニュー」の項目が3月23日の週には4.3%まで大きく減少しています。飲食メニューには外食やテイクアウトなどの喫食に関するレシートが含まれています。3月の末当たりから「#stayhome」というハッシュタグが発生し始めています。こういった動きもジワリと結果に表れていることがわかりました。
食品レシートは2月より増加した
2020年3月のレシートと2月のレシートを比較した表です。前月に比べて購買行動が増えたものをピックアップしています。ベーカリーや牛乳、大豆加工品などの食品関連の伸び率が高まっています。「おうち時間」を過ごすためのスナック菓子の購入や、ビール系飲料の購入、子供のお留守番対応のために冷凍食品のストックなどが考えられます。また、学校給食が中止されたことによる牛乳の消費が減ったという報道から、乳製品を購入する動きも反映されていると考えることも可能です。
こういった商品の購買行動の推移もレシートに表れています。まだまだ終息の兆しが見られない状況にありますが、食品や日用品の流通は安定しつつあります。今後の購買状況の推移も注視していきましょう。
あなたのレシートが役に立つ!
今回のレシートによる購買行動の分析はレシーポなどを通じて登録されたレシート情報がもとになっています。これらのデータは、今後のマーケティングなどに役立てられます。どうぞこれからもレシートの登録をよろしくお願いします!