アラフォー・アラフィフ働く主婦、4人に1人が「介護経験あり」~仕事と介護の両立アンケート①~

2019/7/13 お仕事情報

主婦という立場になると家の中では、妻であり、お母さんであり、お嫁さんや娘というように様々な立場に変わります。これが「働く主婦」になると、仕事をする私という立場も生まれます。

これだけでもすでに「奔走」という言葉が頭に浮かびます。「仕事だけではなく家事に育児に…」や、「介護に家事に…」というように家の中での役割負担がのしかかってくることがあるからです。

レシーポを運営するソフトブレーン・フィールド株式会社では、働く主婦を対象に「親の介護に関する調査」を行いました。これまでの介護経験はもちろんのこと、これから始まるであろう介護への関心なども併せていろいろなことがわかりました。

親の介護に関する調査

【調査概要】

  • 調査対象:SBFにキャスト登録をしているアンケートモニター(働く女性)
  • 調査人数:N=830名 平均年齢47歳
  • 調査方法:SBFリサーチサイトを活用したインターネットリサーチ
  • 調査地域:全国
  • 調査期間:2019年5月9日~2019年5月15日(7日間)
    ソフトブレーン・フィールド調べ

働く主婦と介護の背景

まずは、アンケートに回答してくださった方に介護経験を伺いました。

現在進行形、または過去に介護を担っていた人は全体の27.8%。介護未経験である72.2%の働く主婦層の中でも、14.5%の人が「要介護者が身近にいる」ことを示唆しています。

介護を始めた年齢は、アラフォー・アラフィフ世代が中心

また、介護を始めた年齢を伺ったところ、40代で始まったという方が34.%、次いで50代という回答がありました、全回答者では、43歳が平均年齢でした。

介護生活が何年継続したか、にもよりますが、40代~50代の方を中心に

「介護を担う立場」になったことがわかりました。

介護期間中でも仕事をしている女性が多数

実際に介護を経験した働く主婦層に「当時の就業状況」について質問をしました。8割強の人が仕事を持ちながら介護を担っていたことがあぶりだされました。

アンケートモニターの属性からもわかる通り、個人事業主やフリーランサーとして働く人や、短時間労働をされている人が多いことがわかります。中でもフルタイムや派遣(1日の勤務時間は問わず)をしながら介護を担っていたという人も見られました。

フリーランサーなどは時間に左右されない仕事とは言われていますが、家事・介護などを引き受けての仕事は難しいものがあると思います。

子育ても両立していました

介護を経験した主婦に当時の子供の有無を聞きました。64.1%の人が子育て中もしくはプレママだったという結果が出ました。

中でも、子育て集中期ともいえる乳幼児期の子を持つ親が2割弱、まだ保護者の手が必要な学生層世代が3割ほどと、負担が大きいなかでの生活だったことがわかります。

先の就業状況を知るためのアンケート結果と合わせて、2人に1人の人が「仕事・家庭(子育て)・介護」を一挙に担っていることが浮き彫りとなりました。

親族の介護はやっぱり不安

次は、介護が未経験という方に伺いました。

筆者は、介護未経験の43歳です。夫の両親も後期高齢者に差し掛かる世代となりましたし、実家の父が手術を予定しており、術後の経過によっては介護が必要となる可能性が浮上しています。将来的に介護を必要としないための手術ではあるのですが、リアルに介護問題を認識せざるを得ない世代になったと痛感しています。

同様に、アンケート結果を見ると、これから始まるであろう「介護」について不安を感じるという方が9割近く。「介護の仕方がわからない」「自分に介護生活が務まるか単純なところでの不安/介護できるのは自分だけ」「仕事と介護の両立ができるのか」といった、生活が変わることに関する不安が多くみられました。

「どこに相談したらよいのか、何からしたらいいのかまったくわからない(50代)」

「自分ができるのか、お金とかどのくらいかかるのか(40代)」

介護は地域・医療・家族との連携で行うという動きが定着していますが、いざ当事者となったとき、私たちは知識をある程度まで蓄えていたとしても、途方に暮れてしまうと思います。

当事者との介護準備は50/50

これから介護が必要になる親や親族と、介護の担い手になるアンケートの回答者さんとの間で「介護に関する話をしたり、準備を始めたりしたか」を問いました。

「話したことがない(準備もしていない)」という回答が全体の52.2%。ほぼ2人に1人が介護の準備ができていないということがわかりました。

覚悟を持っていても、できれば避けたい介護の話。実は筆者も実家の父の手術が決まる以前、病気が見つかったときに介護のことは頭をよぎりましたが、両親や同居している実弟に話をすることはできませんでした。代わりに「入院してもお母さんが困らないように、生命保険などはきちんとしておいてね」とだけは言えました。

手術のリスクを聞いたのちも、介護問題の話は切り出せず…。実の親子でもこの状況ですのでこれが「夫の両親」などとなるとさらに話せない・準備できないという気持ちも出てくるのではないでしょうか。

公的介護保険制度もなかなか理解できない

介護に関する公的保険制度は「介護が必要になってからでも…」という気持ちがあるかもしれません。85.4%もの人が「公的な介護保険制度をあまり知らない・ほとんど知らない」と回答していることがわかりました。

「介護保険料は40歳の誕生月~64歳11か月まで納付する」「バリアフリーにリフォームすれば介護保険からの助成がある」「デイサービスやヘルパーの利用料は、介護保険からも負担してもらえる」というように、わずかな知識でも構わないと思います。ちょっとずつ情報を仕入れていくとよいかもしれません。複雑な介護保険の仕組もあるため、身近なところでセミナーなどがあれば受講してみることも一案です。

身近な問題、相談できる場所も探しておきましょう

介護というと、どうしてもヘヴィーな状況を想像してしまいがちですが、まだ介護を経験していない方とその当事者になるであろうご両親には「介護予防」に関してだったら話ができるかもしれません。

生活ベースで健康に気を使うことはもちろん、民間企業が主体となった介護予防プログラム(要介護者以外が利用できるもの・健康支援サービス)なども存在しているので、こういったサービスの利用を促してみることも「介護準備」の足掛かりになると思います。

また、自治体では地域包括センターなどで介護の相談を随時受け付けています。現在介護に奔走している人はもちろん、未経験の方でも相談できる場所を知っているだけでも安心できます。

仕事や子育てをしながらでも介護ができる仕組みが整いつつありますので、万一の時は公的な介護保険サービスを利用しながら乗り切っていきましょう。

 

 

 

この記事を書いた人:receipo

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