【家庭と防災】防災グッズ、準備していますか?
平成23年3月11日の「東日本大震災」や、平成28年4月14日の「熊本地震」
西日本を襲った「平成30年7月豪雨」のほかにも、阪神淡路大震災など私たちには忘れてはいけない過去の自然災害があります。
災害の都度、避難所が開設されてそこで幾度となく「避難・防災グッズ」の準備が紹介されていますが、今、私たちの生活の中でもどれほど「防災グッズ」の準備が定着しているのでしょうか。
レシーポを運営するソフトブレーン・フィールド株式会社が「防災への備えに関する意識調査」を行いました。
「防災への備えに関する意識調査」
【調査概要】
- 調査日時:2019年1月11日~1月15日(5日間)
- 調査対象:全国のPOB会員アンケートモニター(20代~60代)
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 調査人数:n=4259名(男性 1854名/女性 2405名)
ソフトブレーン・フィールド株式会社調べ
今後不安な災害は「地震・津波」
筆者は、東日本大震災の被災地域に住んでいます。
我が家は地震による被災のみで、家財道具の破損だけで済みました。(これでも10万円を超える損害です)けれど、2km東に進んだ地域では津波の被害がありましたので、常に災害とは背中合わせということは心にとどまっています。
その中で、皆さんがアンケートに記した「現在不安に思っている災害」について、地震や津波のほか、豪雨や洪水を挙げている方が多くみられました。
南海トラフ地震などは「近い将来起こりうる」と警戒されていますし、豪雨や洪水、暴風、竜巻は全国どの地域でも気象条件が重なれば被害に見舞われます。
火山の噴火は地域によっては大きな不安に見舞われますし、火事などは「明日は我が身」ともいえるでしょう。
地域の防災情報について把握していますか?
次は、地域の「指定避難場所」を知っているかという設問と、地域のハザードマップの認知度を調べました。
2016年に行った同様の調査と比較して、2019年には5ポイント以上も「知っている」という回答が上回っていることがわかりました。自治体・地域住民などによる地域防災機能が固まりつつあることがうかがえます。
逆に気になったのが「ハザードマップ」に関する事柄です。家にあるという人が33.2%。
家にある人を含め「見たことがある」と答えた方が56%です。
また「家にはないけれど見たことがある」「名前は知っているが見たことがない」と答えた方が52%です。
気になるのは、見たことがある・ないを問わず「ハザードマップが家にはない」と答えた群です。
ハザードマップには、地震・土砂災害・洪水・津波などでリスクを負う地域や避難所などが記載されています。万一の災害の時にハザードマップがあれば「逃げ場を確保できる」可能性が高まります。
できれば、自治体からハザードマップを取り寄せたり、国土地理院が提供するハザードマップポータルサイトを確認することをお勧めします。
指定避難所とは?
指定避難所とは、災害の危険性があり避難した住民等が、災害の危険性がなくなるまで必要な期間滞在し、または災害により自宅へ戻れなくなった住民等が一時的に滞在することを目的とした施設です。(国土地理院より引用)
ハザードマップとは?
一般的にみて、「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図(国土地理院より引用)」を指しています。
地域差が大きい、防災グッズの備蓄
こちらの質問では、回答者の居住地域を抽出し、得られた回答を百分率にて表しています。
「防災グッズの保管・備蓄をしている」と回答した人が多い地域は北海道、次いで関東、中部/北陸地方となりました。これでもほぼ二人に一人の割合です。
筆者の見解としては「全体的に少し低いかな?」と思ったのが実情です。東日本大震災を経験し、一か月以上の長期間もライフラインの寸断を経験している地域もある、東北地方の防災グッズの保有率が低い(45.6%)ことにもびっくりしました。
「昨年発生した北海道胆振東部地震後のブラックアウトを経験してから、更に防災意識が高まり、ラジオ、懐中電灯、現金などを用意するようになった(30代・北海道在住)」
「東日本大震災のタイミングで防災グッズを購入。それ以降9月1日の防災の日に準備したものを点検している(60代東京在住)」
「昨年の台風で浜松市は3日間に及ぶ大規模停電を体験したが、カセットコンロ・ろうそく、ラジオなど、日頃から備蓄していたものを使いほとんどまかなえた。備蓄の大切さを知った(60代・静岡県在住)」
「阪神淡路大震災を経験しているので、当たり前のように日頃から備蓄をしている(40代兵庫県在住)」
このように、防災グッズをそろえるきっかけを持っている方も見られます。
懐中電灯と飲料水はマスト!
複数回答でどのような防災グッズを備蓄・保管しているかを尋ねました。
懐中電灯と非常用の飲料水を準備されている方が圧倒的に多いことがわかりました。また、缶詰や非常食など食糧の率も高まっています。
ここで特筆すべきは、非常用のものを購入する方だけではなく、食料や飲料水、日用雑貨等、普段使いのものを災害用に備蓄・保管する傾向もみられたことです。
「ローリングストック法」と呼ばれる、いくつか備蓄して古いものから普段使いをし使った分だけ補充をするという方法が定着しているのかもしれません。
次にそろえてほしい防災グッズはこれ!
これを見て、もう少し強化すべき部分は、「情報収集」のための携帯ラジオだと思います。
「スマホやネットがあるからよい」と思う方もいらっしゃるかもしれません。筆者は、地震の時は中継基地局そのものが破損し、瞬時に携帯電話が不通になってしまった経験を持っています。
地震が起こってすぐに停電もそうですが、NTTの固定電話も不通になってしまったために、ラジオによる情報収集が一番有益でした。
防災グッズの見直しは定期的に行っています
備蓄や保管をしている防災グッズについて、中身を見直ししている人は全体の85%を占めていました。
ロングライフの長期保存商品が多いので「数年に一度」という声も見られますね。
防災の日などに、スーパーで防災用品を売り出したとき(60代男性)
年末の大掃除のとき(40代女性)
東日本大震災(3.11)の日に、アマゾンや楽天市場でヘルメットや保存食を購入(50代男性)
このようにタイミングについて回答してくださった方も見られます。
災害は、3分後突然に来るかもしれない
「地震が来るぞ~」なんて誰も予言してくれません。
緊急地震速報も地震が起こってから報じられることもあります。
災害はいつでも突然やってきます。普段から自宅で過ごせる分だけの食糧などの備蓄、避難所へ出向くタイミングやその場所などを把握しておくことをお勧めします。
ハザードマップもぜひ一度確認されてみてはいかがでしょうか。