セルフメディケーション税制って何?私たちの暮らしをちょっぴりお得にする方法

2017/7/15 くらし

病院を受診すると、医療費と投薬代でかなりの費用がかかりますよね。でも、病院へ行く時間がなかったり、病院に行くまでもない不調だったら、市販薬で済ませることはありませんか。ここでは、平成29年1月から始まった「セルフメディケーション税制」に関して情報をまとめました。

ドラッグストアで薬を購入したら、必ずお手持ちのレシートをチェックしてくださいね。

 

セルフメディケーション税制とは?

 

レシーポ セルフメディケーション減税

セルフメディケーション税制とは、医療費控除の特例の一つとして定められました。

健康診断などを受けている方が、自身の体調不調を整えるために購入した一部の市販薬でも医療費控除が受けられるよう定めたものです。

 

セルフメディケーション税制のメリット

市販薬でも医療費控除が受けられると、翌年にかかる市町村民税などの税制面で優遇を受けることができます。また、病院で診療を受ける際にかかる費用を抑えることができますね。

私たちの生活が豊かになるだけではなく、国側が負担している医療費も抑えることができますので、ひっ迫している国の財政支出を抑えることにもつながるのです。

セルフメディケーション税制の適用を受けるには、いくつかの条件があります。詳しく掘り下げていきます。

 

対象者はこんな方

 

1.メタボ健診などと呼ばれる特定健康診査を受けている方

2.予防接種を受けている方

3.会社や自治体が行う定期健康診断を受けている方

4.通常の健診やがん検診を受けている方

「健康の維持増進及び疾病の予防」に取り組んでいる個人で、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族も対象になるようです。

詳しくは、厚生労働省セルフメディケーション税制についてこちらのページをご覧ください。

 

どのような薬が対象になるの?

かつて医師の処方箋がないと購入できなかった医薬品成分の中で、規制緩和の結果、市販薬として販売が可能になった成分が含まれた医薬品(スイッチOTC薬)が税制対象となります。

▼第一類医薬品に指定された市販の医薬品で、パッケージにはこちらのマークがついています▼

 

対象医薬品の品目はこちらのページをご確認ください。

みなさんが日常で使っている医薬品の多くが対象となっていますので、風邪薬だけではなく、皮膚炎の薬や腰痛などを和らげるお薬等も対象となっています。指定対象マークを見つけることだけではなく、ドラッグストアなどで控除対象商品を購入した場合、レシートの商品名欄には何らかのマークが印字されています。ドラッグストアでもらったレシートは必ず年末まで保管してくださいね。

 

控除を受けるにはどうしたらいいの?

セルフメディケーション税制による医療費控除を受けるには、平成29年1月1日~同年12月31日まで購入した指定対象商品の総額が1万2千円以上であることが条件として求められます。

上限8万8千円と定められていますが、その購入金額を「医療費控除」として申告することが可能です。

一年間の購入総額が対象となるので、年末にドラッグストアのレシートを整理して、対象医薬品を購入した金額がどのくらいなのか、必ず確認してくださいね。

 

確定申告で医療費控除を受けます。

ただし、家族合わせての通院治療費が10万円を超えた場合、従来の医療費控除とセルフメディケーション税制のいずれか有利な方を選択する必要があります。税務署などで算出方法を教えてくれるので確認しましょう。

会社員でも医療費控除を受けるには、確定申告の必要があります。源泉徴収票や医療費控除の根拠となるレシートを準備して申告書を作成しましょう。

 

これまで、市販薬で税控除を受けることができませんでしたが、新税制によって私たちの健康管理に対する意識が変わることでしょう。ただし、単なる風邪だと思い込んで市販薬を飲み続けた結果、重篤な病気が隠れていたという、新税制の落とし穴も考えられます。これでは税の優遇どころか、医療費のムダにつながります。
体調が悪ければ医師の診察を早めに受けることを心掛けましょう。

この記事を書いた人:receipo

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