[看護師監修]胃腸炎の二次感染予防
冬になると流行する胃腸炎。子どもがかかると症状も辛そうですが大変なのが、布団の上でしてしまった嘔吐物やお漏らししてしまった便の後片付けではないでしょうか。きちんと処理をしないと看病しているご家族や、きょうだいに二次感染する可能性が高くなります。
胃腸炎の二次感染予防について
塩素系漂白剤を用意しよう
ノロウイルスやロタウイルスは、感染力が強く乾いた場所でも10日程生きている強いウイルスです。石けんや消毒用アルコールにも強いので塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)や哺乳瓶用の消毒液も使えます。塩素系漂白剤は50〜100倍に薄めて使用します。簡単な作り方は、500mlのペットボトルに水を500ml入れ、塩素系漂白剤をキャップ1杯分(5cc)入れれば100倍に薄めたものになります。間違って飲まないように気をつけましょう。作り置きはせず、残ったら捨てましょう。
フローリングなどが汚れた場合
まず、どこが汚れた場合でも共通するのが嘔吐物や便を処理する時は、できるだけ使い捨て手袋とマスクを使用しましょう。また汚物が乾燥するとウイルスが空気中を漂い他の人に感染するので、できるだけはやく処理しましょう。
フローリングなどふき取れる場所が汚れた場合は、汚物をペーパータオルなどで取り除き、二重にしたビニール袋に入れます。
取りきれない汚物の上に、ペーパータオルをかぶせ、その上から薄めた塩素系漂白剤を十分浸るように注ぎ、汚染場所が広がらないようにペーパータオルでよく拭きます。
衣服が汚れた場合
一番確実で手っ取り早い方法は、処分する事ですが汚れるたびに捨てるわけにはいきません。このような時の為に、古いタオルやギリギリ着れるけれど小さくなったパジャマ、古くなったベッドカバーやシーツ類を残してあると便利です。
まず外に流しがある場合は外で、無い場合は洗面所で洗います。換気ができ消毒しやすい場所で行いましょう。
最初にできるだけ汚物をペーパータオルなどで取り除き、二重にしたビニール袋に入れます。ある程度取れたら、バケツの中で何度か繰り返しすすぎます。洗った水は必ずトイレに流しましょう。色落ちな痛みが気にならない衣服の場合は50倍程度に薄めた塩素系漂白剤に5分ほどつけると消毒効果があります。
つけた後、トイレにつけておいた漂白剤を流し、軽くすすいでから洗濯機で洗います。他のものと一緒に洗わず、単独で洗いましょう。
洗濯後、洗濯機のみをもう一度まわすのもおすすめです。気にならなければ塩素系漂白剤で軽く消毒したあと、洗濯槽に塩素系漂白剤が残らないよう、洗濯機をまわすと良いです。
シーツやベッドカバーが汚れた場合
大物が汚れた場合は、衣服と同じようには洗えません。
お風呂場の窓を全開、または換気をした状態で処理します。
50〜100倍に薄めた塩素系漂白剤に古いタオルやペーパータオルを浸し、嘔吐物などを取り除きます。これを繰り返します。汚物が取れたら拭き取った箇所をお湯で流し、衣服と同じように洗濯します。お風呂場はシャワーでよく洗いましょう。
マットレスなど洗えない物が汚れた場合
洗えないものの場合は、事前に予防するに限ります。ベッドカバーやシーツを二重にしたり防水シーツを使用するなどしましょう。もし汚れてしまった時は250〜500倍に薄めた塩素系漂白剤(水500mlに対し1〜2mlの塩素系漂白剤)をタオルやペーパータオルに浸し汚物を拭き取ります。その後、残っている作った塩素系漂白剤をスプレーし、最後に汚れた箇所にスチームアイロンを1分以上当てます。
面倒ではありますが二次感染予防をして、家庭内で胃腸炎を蔓延させないようにしたいものですね。